
最近、子どもたちが外遊びしている時間が少なくなっている気がするけど、うちの園の子どもたちの運動能力はどれくらい育ってるのかな?

わたしの園でも運動遊びの取り組みを始めたわ。取り組みを振り返るために、効果を簡単に測れる方法はないかしら?

それなら『Simple Motor Competence-check for Kids(略称:SMC-Kids、読み:エスエムシーキッズ)』という、幼児の運動能力を短時間で簡便に測定できるツールがおすすめじゃ!
目次
Simple Motor Competence-check for Kids(略称:SMC-Kids、読み:エスエムシーキッズ)とは?
SMC-Kidsの概要をまとめた資料はコチラ(←クリック)
- 3~6歳の運動能力を、特別な用具や広いスペースがなくても、2項目で評価できる
- 1クラス(約20人)を25分程度で測定できる(2コースつくった場合)
- 日本の幼児1650名から作成された評価基準値と比較することができる
- 無料で公開されているExcelマクロを使って、結果票を簡単に作成することができる

国際的なジャーナルで、測定の妥当性(測定結果が運動能力を反映していること)と信頼性(同じ条件で測定を繰り返した際に結果が一貫していること)が検証されておるぞ!1)



測定方法
①測定の様子
まずは動画で測定の様子を見てみよう!
②必要なスペースと場の設定

園の遊戯室などで、バレーボールコートくらいの広さがあれば2コースつくって測定できます!

10m折り返し走と紙ボール投げを同じコースで行う時は、以下のようにコースをつくるといいよ!

③必要な用具
以下の3つの道具で簡単に測定できます!


紙ボールはA4用紙6枚(ボール用5枚+大きさを測る用1枚)と布ガムテープで簡単に作れます!以下の動画を参考にしてね!作り方の説明を文書で見たい方はコチラ!(←クリック)
④測定の実施方法
測定前には、遊戯室を走り回ったり、簡単な運動遊びを行うなどして、心と体があたたまるようなウォーミングをしましょう!
測定の見本を見せる時は、先生も全力でやっている姿を見せてあげてくださいね!子どもは先生のやり方をよく見ていますよ。
■ 10m折り返し走
- 測定は基本的に裸足で屋内で行う
- 測定は基本的に1回だが、以下の場合は積極的に再測定を行い、幼児が全力を出した結果を測定できるようにする(状況に応じて、先に次の子どもを測定している間に休憩させ、その後に測定してもよい)
・ボールを落とした、つかみそこねた
・つまづいた、転んだ
・ボールをスタートラインに置かなかった
・その他、全力を出せていないと測定者が判断した場合 - 測定者は、幼児が2個目のボールをスタートラインに置くまでの時間を計測する(ボールはきれいに並べなくても良い)
- タイムは100分の1秒まで記録
- ヨーイ、ドンの合図は出すが、子どもが動き始めたら計測を開始する(反応の速さを見たいわけではないため)

基準値は屋内で裸足の測定に基づいて作られておる。屋外でやってもよいが、10m折り返し走は靴だと少し遅くなるかもしれん。紙ボール投げは風がなければ屋内外どちらでも大丈夫じゃ。
子どもが走っている時は、測定者は全力を出せるような声をかけましょう!待っている子どもたちに応援の声をかけるように促すと、楽しい雰囲気で全力も出しやすいかもしれませんね!

何回やっても紙ボールを2個同時に運んでしまう子には、折り返しラインにボールを1個ずつ出し、1個運び終わったら次のボールを出してあげるようにすると良いですよ!
■ 紙ボール投げ
- 測定は基本的に2回だが、以下の場合は積極的に再測定を行い、幼児が全力を出した測定値を2つそろえられるように測定する。
・ボールを床にたたきつけた
・ボールが手からすっぽ抜けた
・助走ラインの幅と同じ3mよりもボールが横にそれて落ちた(助走ラインの幅を目安にする)
・投球ラインを超えて助走した
・その他、全力を出せていないと測定者が判断した場合 - 落ちたボールの中心までの距離を1 cm単位で計測し,「4.54 m」のようにmで記録する。
- 幼児の場合で、何回かやり直しても助走ができない場合や、投球ラインから出てしまう場合は、助走なしで投球ラインから投げさせる。

基本的な測定回数にこだわりすぎず、積極的に再測定をして全力を出せた記録をなるべくそろえるようにすると、その子の運動能力を正しく評価できるぞ。
下に叩きつけるように投げてしまう子には、「お空に向かって投げてみよう」、「先生に届くように投げてみてね」などと、具体的に声をかけると良いですよ!

失敗ややり直しの試技があっても、「違うよ」、「〇〇したらダメだよ」などと否定的な声をかけるのではなく、まずは 「がんばったね!」などと頑張りを認める声をかけ、「次は〇〇みたいにやってみよう」とプラスの声をかけてあげましょう!
測定の結果票
①どんな結果票が出せるの?
「個人の結果票」、「クラスごと・学年ごとの結果票」、「園全体の結果票」を出すことができます!結果票にはQRコードがついていて、測定値の解釈や子どもの運動の意義と実践のヒントについての情報を見ることもできます。簡単な親子遊びも紹介していますよ!
②結果票を作成するExcelマクロを使うには?

結果票を簡単に作れるExcelマクロは、登録すれば誰でも無料で使えますよ。結果票は、作成する人によって一部カスタマイズできるようにもなっているので、QRコードを差し替えたり、伝えたいメッセージを変えることもできます!
<使用登録フォーム>
https://forms.gle/EJ35kLHCLV2CgB43A
https://forms.gle/EJ35kLHCLV2CgB43A
※フォームから申請すれば、マクロと使用方法を説明したマニュアルのダウンロードURLが入ったメールが届きます

取得したマクロ付きのEXCELは、始めにマクロの実行を許可しないと使えないようになっておるぞ。詳しくはマニュアルを参考にするのじゃ。市から支給されている園のパソコンでは、パソコン自体でマクロの実行がブロックされている場合もあるようじゃ。そのような場合は、市の担当部署と相談してみるしかないかの。
③結果票はどのように見るの?

同じ学年でも4月生まれと3月生まれでは約1年も差がある。この基準値では、その子の年齢に合った基準で運動発達を評価することができるんじゃ。まずは、結果票の評価基準となっているパーセンタイル曲線について解説しよう。

何回か測定を続けていくと、発達の様子が可視化できるんじゃ。定期的に、1年に2~3回測定していけるとよいな!


④基準値はどうやってつくられたの?

研究者の努力と多くの園や保護者の協力によって、日本の1650人の幼児のデータから基準値が作られたんじゃ。このおかげで、その場で走ったり、投げたりするだけで、その子の運動発達の状態を把握できるようになったことは画期的なことじゃな。


まとめ
- SMC-Kidsは年齢・性別に応じた幼児の運動発達を評価できるツール
- 保育現場・家庭・地域で、幼児の運動発達を手軽に見える化できる
- 運動遊びの効果を分析したり、 経年変化をモニタリングするのに役立つ

みんな元気にあそべ~!