「ボール遊び」と聞くと、どんな運動遊びが思いつきますか?
おそらく、パッと思いつくのは「ドッジボール」ではないでしょうか。
でも、年齢の低い子どもに最初から普通のルールでドッジボールをすると、得意な子どもだけがボールを投げてばかりの展開に・・・
全員がボール遊びの面白さを感じられるようにするには、どうしたらいいのかしら?
そこで今回は、「いっぱい投げれた!」、「いっぱい当てれた!」という成功体験を通して、子どもたちのボール遊びへの興味が高まる低年齢向けの遊びを紹介します!
目次
準備するもの
- 当たっても痛くないフワフワボール・・・活動人数の約3分の2個〜人数分
- 三角コーン(中央ラインの目印として使用)・・・5個以上(コートの仕切り方に応じて)
- 得点をつけるために使う物(ペットボトルのキャップ、玉入れボール、カプラなど、多数用意できる物)・・・たくさん(参加者1人あたり3~5個あるとよい)
※フワフワボールは100均ショップで売っているようなものでもOKです。なければ、ドッジボールの空気を抜いて柔らかくしたものでもOK(準備が大変ですが…)。
新聞紙で作ったボールだと、部屋でも安全にできます。固くならないように作ってください(1個あたり新聞紙2枚くらいがおすすめ)。
展開方法とポイント
① 当たってもOK!どんどん投げるボール当てゲーム
「投げ投げ合戦」をするよ!まずは赤チームと青チームに分けるからね~!
ぼくは赤チーム!
わたしは青チームだぴょん!
真ん中にコーンを置くから、こっちが赤でこっちが青チーム!ボールを持ったら、コーンより前に行かないようにどんどん投げて相手チームを当てるよ!よ~い、スタート!
【ポイント①】
「ボールに当たってしまってもそのまま続けられること」、「ワンバウンドでも転がってきたボールでも当たったことになること」は最初から伝えなくてもOK!まずはどんどん投げて相手に当てる事だけ伝えて始めてみましょう。子どもたちの様子を見ていてどうすればいいか困っているようだったら、必要に応じて指示を加えていけばいいよ!
「ボールに当たってしまってもそのまま続けられること」、「ワンバウンドでも転がってきたボールでも当たったことになること」は最初から伝えなくてもOK!まずはどんどん投げて相手に当てる事だけ伝えて始めてみましょう。子どもたちの様子を見ていてどうすればいいか困っているようだったら、必要に応じて指示を加えていけばいいよ!
ゲームを始めるために最低限必要なことと、どうしても言っておかないと大きなケガにつながることだけ伝えて、まずは始めてみるのじゃ!説明をたくさんした後に子どもたちに「分かったかな~?」と聞いても、「は~い!」と元気よく答える子どもにつられて、本当は分かっていない子も「は~い!」と言うぞ(笑)始めてみて、子どもたちの大半が分かっていないようじゃったら全体を止めて指示を加えれば良いし、数人だけじゃったら、やりながらその子に声をかければよいな。
たくさんボールがあるので、多くの子がボールを投げることができています。
一方で、後ろの方にいて、なかなかボールを投げることができていない子もいるようです。
【ポイント②】
後ろの方でボールを投げることができていない子には先生がボールを渡してあげましょう!この支援が一番大切だよ!
後ろの方でボールを投げることができていない子には先生がボールを渡してあげましょう!この支援が一番大切だよ!
1回戦おわり~!たくさん当てられたかな?
10かいあてた~!
わたしは3かいだぴょん!
1回戦は、当てることができたみんなの勝ち~!
まずはこのように「ボールを投げれた!」、「当てれた!」という経験を喜べるような状況をつくってあげると意欲が高まります。
年少ならこのルールを繰り返すだけでも十分楽しむことができます!
② 得点をつけるチーム戦
次は、どっちのチームがたくさん当てられるか対戦するよ!
よ~し、まけないぞ~!
当てた人はコートの後ろにあるお宝を1つ取って、チームのカゴに入れようね!入れたらまた続けるよ!
先生が実際に動きながら説明します。
では、よ~い、スタート!
お宝の残りの数や子どもの様子をみながら終了の合図を出しましょう。
1回戦を長くやるよりも、ある程度短く何回戦もやる方が、「勝った」という経験を得るチャンスが増えます。
【ポイント③】
勝敗のつけ方は2通りあるよ!1つは「得点が多い方が勝ち」、もう1つは「早く全部なくなった方の勝ち」。早く全部なくなった方の勝ちのルールは、初めから各チーム30個などと決めた数のお宝を出しておいて、それを当てたら1つずつ得点カゴに入れていく方法だよ。得点に使う物の数が十分にない場合は、この方法を使った方がいいかもね!終わってから、得点を数える時間もかからないよ!
勝敗のつけ方は2通りあるよ!1つは「得点が多い方が勝ち」、もう1つは「早く全部なくなった方の勝ち」。早く全部なくなった方の勝ちのルールは、初めから各チーム30個などと決めた数のお宝を出しておいて、それを当てたら1つずつ得点カゴに入れていく方法だよ。得点に使う物の数が十分にない場合は、この方法を使った方がいいかもね!終わってから、得点を数える時間もかからないよ!
終了後に得点を子どもと一緒に数える展開をよく見かける。しかし、体を動かす時間をたくさんとるためには、数を数えるのは先生がさっと済ませて結果を発表した方がよいじゃろう。子どもにとって貴重な運動時間。なるべく体を動かす時間を多くとれるようにできるとよいな!
学年が上がるにつれてこのように得点を明確にすると、競争心やチームの意識が高まります。
③ コートを工夫したゲーム
【3か所のコート】
【4か所のコート】
コートを「Y字」にして3か所に分けたり、「十字」にして4か所に分けたりしてみましょう。
【ポイント④】
4チームにして4か所に分けてもいいし、2チームを4か所に分けてもいいよ!色んな方向にボールを投げる必要があるので、自然と視野が広がって周りを見る力がつきます!
4チームにして4か所に分けてもいいし、2チームを4か所に分けてもいいよ!色んな方向にボールを投げる必要があるので、自然と視野が広がって周りを見る力がつきます!
ボールが大きいほど、頭の上から両手で投げる動きになりがちです。
これはこれで、全身を使ったとてもよい動きです!
これはこれで、全身を使ったとてもよい動きです!
始めから投げ方を指導すると面白くなくなってしまいます。
まずは思い切り強く投げようとする気持ちと動きを引き出したいですね!
まずは思い切り強く投げようとする気持ちと動きを引き出したいですね!
あそべえ博士のワンポイントアドバイス!
- この遊びを終わる時に「今日、1回でも当てれた人~?」と子どもに聞いてみるのじゃ。そこで全員の手が上がると最高じゃな!「当てれた!」経験をした子どもを100%にはできないかもしれないが、「投げれた!」経験は先生の支援次第で100%にできるぞ!
- あえて教室やホールなどの狭い場所ですることもいいぞ!ボールが遠くへ行かないので動きがより活発になるんじゃ。それに、狭い場所でやると全体の一体感が生まれやすい面もあるな。
- 大人がこのゲームをするとみんなコートの後ろの方に行ってなかなかボールを投げようとしない(笑)。「当てられると痛い」、「当たったら終わり」というボール当てゲームを経験してきたから、なるべく当たらない動きをとろうとするようじゃ。でも、子どもは中央付近にいる子がけっこう多いぞ。ボールを取って投げたい気持ちの表れじゃな!まずは「逃げるよりも投げる」ことを大切にした声かけをしていけるとよいな!大前提として、当たっても痛くないボールを用意することが最も重要じゃ!
- とはいえ、年長児くらいになれば「たくさん当たってしまうとどうなるかな?」と問いかけてみると、相手の得点が増えて負けることを考えて動きが変わってくるぞ。
- なかなか「当てれた!」という経験ができない子への支援として、先生が相手コートに入って(わざとらしくないように)当てられるのも、先生にしかできない支援の方法じゃな。「やられた~!〇〇くん、強いな~!」と大げさにリアクションしたら、ボールを投げた子の自信がつくきっかけになるかもしれんのぉ。
- 得点を数える時に、カプラだったらチーム全員で1列に並べて、相手チームとどちらが長いかを視覚的に見えるようにしてもいいかもしれんのぉ。いずれにしても、数を数えることに時間をかけ過ぎず、みんなが「投げれた!」、「当てれた!」という経験をたくさんできるように展開を工夫できるとよいな!
みんな元気にあそべ~!